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株式会社日立総合計画研究所

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「旬」なキーワードについての研究員解説

M2M

所属部署:研究第三部 技術戦略グループ
氏名:伊藤 豪

M2M -Machine to Machine- とは

「M2M」とは、機械同士(モノとモノ)がネットワークを通じて相互に通信し、サービスを提供する仕組みのことです。この仕組みは、10年ほど前から自動販売機の遠隔監視、ガス・水道メータの遠隔検針、建設機械の監視・保守用途などに利用されてきました。近年、ワンチップ化によるセンサ・通信モジュールの小型化・低コスト化、携帯電話や無線LANなど無線通信技術の高度化と通信料金の低価格化により、機械へのM2M機能の組み込みが急速に広がりつつあります。世の中にある大量の機械がネットワークにつながることで、そこから膨大なデータを収集して分析・活用することができるようになり、業務プロセスの革新や新たなサービスの創出を可能にする仕組みとして、改めてM2Mに注目が集まっています。

M2Mを取り巻く市場動向

新たな市場拡大の機会として、M2Mをサービスに取り込んだ事業化が進展しています。ITベンダ各社は、M2Mに必要なデバイスやネットワークなどを含むプラットフォームをクラウドコンピューティング型で提供する「M2Mクラウド」と呼ばれるサービス事業を始めています。クラウド基盤を用いることで、低コストで迅速なM2Mサービスを提供することができるとして、特に、機械メーカや農業向けのM2Mサービスメニューや全社横断的な組織の新設を発表するなど、積極的に取り組んでいます(下表参照)。

一方、通信キャリアは、国内の通信回線加入者数の伸びが頭打ちになる中で、対象をモノにまで拡大することで契約件数の大幅増加が可能になるとして、M2Mを新たな収益源として捉えた事業戦略を打ち出しています。NTTドコモは2011年11月に発表した「中期ビジョン2015」の中で、注力事業の一つとしてM2M事業を挙げ、2011年度100億円の売上高を2015年度にはその約7〜10倍にする目標を掲げています。KDDIは、M2M向けの組み込み通信モジュールや遠隔監視・操作支援サービスの提供を2012年2月より始めています。

また、M2Mのオープンプラットフォーム化による新たなM2Mサービス創造を目的として、2010年11月に業界横断的な団体「新世代M2Mコンソーシアム」が発足しています。2012年3月時点で75社が加盟し、環境・エネルギーを含む4分野のビジネス関連と、複数のデバイスを異なるネットワーク、さらにはクラウド環境に接続するための相互運用性の実証などを行う技術関連のワーキングを通して、M2M市場の拡大と活性化に向けた活動が行われています。

表. ITベンダ各社のM2Mクラウドサービス
企業名 富士通 NEC NTTデータ
サービス名 FENICSⅡ M2Mサービス CONNEXIVE Xrosscloud
概要 遠隔地に点在する管理対象物の情報をセンタに集約、活用するネットワークサービス M2Mサービス(クラウド、個別製品、サポート)に必要な基本機能を組み込んだM2Mサービスプラットフォーム M2Mに関する個社向けシステムを共通プラットフォームで統合化した、マルチデバイス制御・管理サービス
事例 ・金属加工機械メーカの保守サービスを革新化
・鍛造機械プレスメーカの遠隔保守サービス
・農業ICT、安全品質トレーサビリティ、放射線測定などのソリューション
・欧州にて通信キャリアとの協業による、通信回線を含めたM2Mサービス
・M2Mクラウドをコアとした新規サービス提供を全社横断的に推進するため「M2Mクラウド推進室」を設置

M2Mによって実現が期待される社会の将来像

M2Mの仕組みは機械の遠隔監視・保守だけではなく、あらゆる社会インフラに組み込むことで社会全体の最適化に役立てることが期待されています。例えば、エネルギー需給を、都市レベルで高度な制御により最適化し、環境コストや地球負荷を削減するスマートシティが日本をはじめ世界各国で推進されています。スマートシティでは、都市インフラを構成するあらゆるものから大量のデータを収集し、それらを融合・連携させて分析・活用することが求められ、それを実現する基盤としてM2Mの技術が重要になります。M2Mは、大量かつ多様なデータの中から新たなサービス価値を生み出すことを可能にします。例えば、機械の稼動状況の把握によって精度の高い需要予測を可能とし、販売機会を見逃さないマーケティング機能のほか、人員や生産、設備投資計画などの経営判断を支援することも、M2Mが実現する業務変革の一つです。そういった意味で、M2Mはこれまでの情報サービスのあり方を変える次世代の情報基盤技術の一つとして注目されます。

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