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[書籍イメージ]スーパーテクノロジー 世界を変えたネットワークとシステムの興亡

「超技術」を主人公とした歴史的な大河物語であって、5世紀に及ぶ諸国家の戦争と市場のバブルの意味を技術から捉え、諸民族の繁栄と衰退あるいは低迷の原因を探る。さらにそれぞれの民族、国家が長期の低迷を脱出するために行った新しい技術の開発の過程を分析し、低迷を脱する処方箋を示す。20世紀の後半、諸国家と市場の興亡は、アメリカ技術を追撃するソ連と日独の激闘において、その極限に到達し、ついにはグローバル市場とインターネット社会の出現という局面を切り開いた。本書は、そもそも商人社会が成立した端緒から電子商取引の始る瞬間においてボーダーレスで限りない自由と解放された社会体制の構築へと向うことになった過程を詳細かつダイナミックに描いている。

目次

第1章
グローバル・ネットの戦慄
第2章
鉄の機関とメカニカル・ネットの衝撃
第3章
鉄の中の機関とオープン・ネットワークの波紋
第4章
石の機関とコンピュータ・ネット

推薦図書

○日経ビジネス(2001.7.30) 夏休み読書特集
岡村 正 氏 (東芝社長) 

技術開発の視点から現在の日本の状況を精緻に分析、今後の日本の方向性を示す。1980年代、日本全体に過信を蔓延し、その後、一転して過剰とも言える自信喪失に陥り、閉塞感さえ漂う昨今。そんな日本人に勇気を与えてくれる1冊。とりわけ次世代を担う若者に、この本から21世紀の日本の姿を感じ取り、そのうえで今、日本は何をすべきか探ってもらいたい。

書評

○日本経済新聞(2001.2.18) Sunday Nikkei
国家の興亡「超技術」から解明

最初に抱いた問題意識を突き詰めていくどんどん知的好奇心が発展して興味の範囲が広がり、原因をさかのぼっていかざるを得ないことがある。それを形にしたような書だ。上梓した著作だが、恐らくもとになったドラフトはもっと大作であったろうと思われる。
その問題意識とはバブル崩壊以降の日本企業、産業の停滞の原因である。激しい技術革新と国際競争を体験している総合電機会社に籍を置く著者だけに、現状への危機感や本当にそうなのかという懐疑心がより強いのであろう。日本が直面しているような状況を抑えた国家がかつて存在したのかどうか。そのときどういう振る舞いをしたのか。
歴史をたどってそれを探るうちにスーパーテクノロジーとでも命名すべき四つの大型技術革新が生みだしたネットワークシステムと国民経済の消長がリンクしていることを見いだした。それらは十七世紀の帆船建造技術に始まって、蒸気機関、内燃機関とそれを実現した自動車や航空機、さらに現在につながるコンピュータである、という。
全編を読むと、さながら国家の覇権を軸にした欧米の産業技術史、あるいは技術文化史を読むようで興味深い。議論を組み立てていく上でのデータの収集や事実の傍証の押さえかたも丁寧である。不満をいえば関心があまりに広がりすぎて、最初に設定した問題意識への解答がもうひとつ鮮明に浮かび上がっていない気もする。その辺りは次作を待ちたい。

読者 福田征孜様 からいただいた詩を紹介いたします

スーパーテクノロジーの悪戯

世界史の興亡
それはスーパーテクノロジーの悪戯
スーパーテクノロジーは
エネルギー利用の画期的技術
国民経済を牽引し
ネットワークを実現し
膨大な財貨の取引をもたらした
それは超技術
水車、風車、蒸気機関、石油動力、電動機
そして原子力、コンピューター
帆船、鉄道、自動車、が世界を変えた
インターネットが世界を変える
それは模倣で始まり創造が加わる
欲深き人間がバブルを起こし、崩壊する
超技術に乗った覇権国家の興亡
興亡は超技術の悪戯

帆船による大航海時代の覇者スペイン
商人で栄えたオランダ
植民地時代の英国の繁栄
鉄道帝国主義に挑戦するドイツ
第一次世界大戦による破壊
社会主義国家になったロシア
強くなる日本
繁栄する自動車の国アメリカ
世界大恐慌に苦しむ人々
ナチスが支配したドイツ
第二次世界大戦による破壊
ドイツもヨーロッパも日本も破壊された
アメリカだけが繁栄
戦後のドル経済による復興
石油ショックで強くなる産油国 中東とロシア
冷戦の軍拡競争の加熱による巨大な無駄
石油価格の下落で行き詰まるロシア
ソビエトの崩壊
グローバル経済社会の到来

支配したのは政治だ
イザべラ女王によるコロンブスの冒険
スペインの無敵艦隊を破った鉄製の大砲
エリザベス女王の英国が世界の海を支配
ヴィクトリア女王の大英帝国
アメリカの独立
フランス革命と広めたナポレオン
明治維新で日本が登場
ビスマルクによる帝国主義への道
レーニンの共産主義革命
スターリンの共産党独裁
ヒットラーのナチズム
日本陸軍による支配
力の政治が経済と人権を蹂躙
チャーチルによる正義の快復
アメリカによる自由と民主主義へ

いや動かしたのは経済だ
金本位の商業の繁栄
スペイン帝国は金を求めて大航海
オランダ、ロンドン商人による株式会社の成立
オランダの投機熱によるチューリップバブル
貿易利益を造船と製鉄に注ぎ 海軍力増強
資源の限界による不振と財政破綻
付けを株主に転嫁した南海バブル
産業革命によるイギリスの再生
イギリスの重商主義による機械と職人の独占
搾取される労働者
資本主義の繁栄
世界恐慌
マルクス主義経済による革命と計画経済
帝国主義経済の争い
全体主義経済からの挑戦と破壊
アメリカの自由主義経済による快復
日本の戦時総動員経済体制による復興
日本の輸出主導型経済による世界進出
内需主導経済への転換が金余りバブルを招く
バブルの崩壊
グローバル経済に向かってどおするか

支配したのはエネルギーだ
風力と水力
石炭による蒸気機関車
石油による自動車
原子力

本当はスーパーテクノォジーの悪戯だった
帆船が大航海時代を作った
蒸気機関が産業と社会を変えた
鉄道の建設が帝国主義をもたらした
自動車が世界戦争を大きくした
原子力爆弾の脅威が冷戦時代を支配
エレクトロニクスが豊かさと貿易を拡大
インターネットがグローバル社会を作る

スーパーテクノロジーを生んだのは科学者
育てたのは経済
利用したのは政治家
幸せになった人 苦しんだ人
経済はお天気だ
天気がよくても技術がなければ育たない
政治は風向きだ
主役のスーパーテクノロジーの悪戯だ

人には進化するスピリットがある
スピリットは常に高度なものを求める
人には欲望がある
欲望は利益を求める
利益を得たときに何を求めるか
支配欲から軍備を拡大した
軍備の最後は破滅だ
止めろ
覇権主義は止めろ
利益を得たら豊かになれ
皆が豊かになれば幸せになる
豊かになろうとしてバブルを起こした
バブルがはじけたが幸せになれるか
安くて何でもあればよいではないか
それがネットワーク社会だ
インターネットがそれを実現するか
経済の魔物はもう出なくなるか
バブルを起こさない経済は学んだな
政治と経済と技術が調和した社会が来るか
構造改革が必要だ
地球上には考えの違う宗教がある
文明の対立がある
貧しい人が沢山いるのは問題だ
地球人口が増えすぎるのは問題だ
資源は有限だ
資源の獲得競争は続く
生存をかけた争い
スーパーテクノロジーの悪戯
悪戯が消えるには問題がありすぎる
悪戯をするには地球は小さすぎる

常深康裕著「スーパーテクノロジー」を読んで感激した。経済が世界を動かす本は多い。また政府の経済財政諮問委員会なども経済財政でバブル崩壊に苦しむ日本経済を快復する話だ。しかし、私には経済はお天気予報のようなもので、技術がなければ育たない。技術が経済の起爆剤のはずと思っていた。そこに、本書が出た。いままで、ドラッカーにしても、ヴェルナーにしてもドイツ人である。日本人の、日立の人が膨大な資料に基づいて技術と経済、政治、経営などを統合して世界の興亡を解き明かしたことは素晴らしい。待っていましたと云う感じである

著者:
常深 康裕
出版社:
行人社
発売日:
2001年1月15日
定価:
3200円(税別)

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