本書は、日立総研が京都大学などとの産学連携で進めている経済物理学の研究について、現時点での成果をまとめたものです。
従来の経済学は、17世紀のニュートン力学に範をとり、理想的な消費者、代表的な企業など、数個程度の経済主体を用いて理論化されました。一方、経済物理学は、20世紀に大きく発展した統計力学を範とし、さまざまな消費者、業種や企業グループを形成して商取引を行う多くの企業など、現実の経済システムを構成する経済主体を用いて理論化を行います。今後、企業をめぐる多面的なネットワークの構造を解明し、リスク管理、事業シナリオ予測、競合分析などに活用できると期待されています。
研究の新しい切り口は膨大なデータです。インターネットを思い浮かべると分かるように、膨大で詳細なデータが手に入るようになりました。金融市場はもちろん、世界中の企業について網羅的な財務データ、自社の企業経営システムからの製品データ、さらには数々の企業間の関係性データもあります。これらの膨大なデータが、新たな研究、新たな学問分野の台頭を促進することは必然です。この本の研究は、従来のような少ないデータを対象にした仮説検証型ではなく、精密・大規模データの解析に基づいた実証的なものです。企業の姿をデータから洗い出し、理論構成を図り、応用を探るというアプローチで、新しい視野が開けてきました。この本は、企業経営の中心に近い人、経済や社会の姿に興味のある人達に、ぜひ読んで頂きたい。
目次
- 第1章
- 新しい視点
- 第2章
- 大きさの分布
- 第3章
- ゆらぎ−企業の成長
- 第4章
- 複雑ネットワーク
- 第5章
- 企業エージェントモデル
- 第6章
- 応用への展望
- 著者:
- 青山 秀明/家富 洋/池田 裕一/
相馬 亘/藤原 義久 - 出版社:
- 日本経済評論社
- 発売日:
- 2007年5月31日
- 定価:
- 2,500円(税別)


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