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株式会社日立総合計画研究所

経済予測

日本・米国・欧州・中国など、世界の主要国・地域の最新経済予測

【短期・中期経済予測】不安定続く世界経済−低迷続く先進国と過熱リスクの新興国−(2010年12月20日)



国際政策協調は難航し、不安定な状況続く世界経済

09年半ばに底打ちし景気回復局面に入っていた先進国経済の回復ペースが、景気対策の息切れなどにより失速してきた。財政・金融・為替面での国際的な政策協調の重要性が増しているが、各国の思惑が異なり足並みは揃わない。日米議会での「ねじれ」や英政権の交代など先進国の政治情勢と経済政策が世界経済を不安定にしている。
過剰債務を抱えた債務者が支出を抑制せざるを得ないデ・レバレッジ局面で、米国を除く主要先進国は11年に財政緊縮路線に転じている。民間の有効需要不足が続く中、政府まで支出を抑制すれば、経済が縮小スパイラルに入る恐れがある。一方、金融政策はゼロ金利の下、大規模な量的緩和策が実施されている。市場に供給された大量の資金は、先進国と比べて好調な成長を続ける新興国の為替・株式や商品市場に向かっている。先進各国の量的緩和策の長期化が、一次産品・穀物価格の乱高下、大幅な為替・株価の変動を誘引するリスクを高めている。
世界経済は、金融危機の構造的な原因となった米国の過剰消費と中国の過剰貯蓄というグローバル不均衡を是正し、中国など新興国の台頭に見合った貿易・通貨・金融体制を再構築していく歴史的転換点にある。人民元など新興国通貨は切り上げ圧力にさらされるが、輸出減少を恐れる新興国の抵抗は強い。有効需要不足に加え、こうした国際政策協調の乱れにより、不均衡の是正は緩慢で、世界経済は中期的に不安定な状況が続く。特に先進国経済は中期的に低迷し、完全雇用に復するのは15年以降となる見通し。

先進国へキャッチアップを続ける新興国

低調な先進国経済に比べ、新興国は景気過熱のリスクを抱えつつも成長ポテンシャルを有し、世界の中でますます存在感を高めていく。そのGDPシェアは近代化以前へ回帰する方向で、先進国との所得格差も縮小に向かい、新興国は先進国に急速にキャッチアップしていく。また、新興国の本格的成長は中国やインドを中心とした中間所得層の拡大を意味する。かつて日本の高度成長期がそうであったように、アジア新興国を筆頭として社会インフラや自動車など高付加価値耐久財への需要が増大する。
実質GDP成長率は、11年は世界4.0%。米国2.6%、ユーロ圏1.0%、中国9.0%と予測。中期的な成長率は、世界全体では中国など新興国がけん引し、90年代の年平均3.0%から2000年代に3.6%、そして2010〜15年4.3%と加速すると見込む。

日本経済は過去の貯蓄を取り崩す局面に

日本経済は踊り場に入っている。企業は投資を海外に向けており、所得が伸び悩む中、内需に勢いがつかない。中期的にも団塊の世代が退職するにつれ、過去の貯蓄を取り崩す局面に入る。シニア消費の影響が強まると同時に、貯蓄率は低下。貿易収支は15年度に赤字となる見通し。財政状況も苦しく、プライマリーバランスを均衡させるためには現行水準からさらに約8%の消費税増税が必要(14年度に消費税増税を想定(5→8%)。11年度の実質GDP成長率は1.3%、為替は対ドルで85円、対ユーロ100円、原油は85ドル/バレルを予測。中期的にも1%台前半の成長と円高傾向を見込む。
円高などにより競争力を失った製品や工程は新興国に譲らざるを得ない。しかし、日本も米国と同様に、科学・技術・品質の比較優位を有する高い生産性を持つ製造業は残る。労働生産性の上昇により製造業の雇用吸収力は低下するが、医療・介護や教育、ビジネスサービスなどの成長産業を創出・拡大することにより、雇用とともに生活水準の維持・向上を図る必要がある。

世界経済の見通し


資料:実績はIMF、予測は(総研)
* 暦年ベースのため、日本の値は下表の年度ベースと異なる

日本経済の見通し


資料:実績は「国民経済計算」、予測は日立総研

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