中国・インドなどの巨大市場の台頭、拡大する外資の日本市場への参入など、経済はますます混迷の一途をたどっている。その中で、マクロ経済、そして産業動向の短期・中期予測を行う日立総研の経済予測は、独自の視点を持つものとして広く注目を集めており、日立グループの予算編成にも大きな影響を与えている。
独自の視点を持つ経済予測とは一体何か。プロジェクト・リーダーに聞いた。
「経済予測をあずかる我がグループの人材は、単なる経済予測の専門家ではありません。それぞれ日立グループ各社や銀行などにおいて実務経験を持つ者であり、その多くが現場を熟知している人間なのです。つまり、予測のプロとしての視点だけではなく広く産業界の息遣いをとらえることができる人間の集まりといえるでしょう。それが机上の論理ではない独自の視点を持つ経済予測として評価されるゆえんなのかもしれません。」
― 何か、特別な手法はあるのだろうか?
「経済・社会変動をいくつかのシナリオとして策定する手法を報告に取り入れています。つまり、基本的に将来は的確には予測できないというスタンスからのアプローチですね。従来のいわゆる『予測』とはその本質が大きく異なる考え方ですが、このアプローチを加えることによって世界情勢がどのように変化しようとも事業を行う側としては柔軟な対応が可能になるわけです。」
― 特別なスキルは必要か?
「もちろん深い専門知識は必要ですが、それだけでは十分ではないのです。問題は広い視野をどのように確保するかということ。視野が狭いと、せっかくの専門知識を活かすために必要な情報がそもそも目に入らなくなってしまいますから。」
― 独自の経済予測のために不可欠の要素とは?
「経済予測を行う上で数字は必要不可欠なものです。しかし、経済にはストーリーがあります。数字だけ追い回すと、それが見えなくなる危険性がある。だから、我々の経済予測も数字とともに経済の流れ、つまりストーリーを重視したものになっています。」



