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Crosstalk 01 新卒座談会

広く、深く、事業に伴走し、未来を描く 若手研究員が語る日立総研のリアル

日立総研の研究員は、日立グループの経営課題に直結するテーマに向き合い、日々思考を重ねています。
若手のうちから大きな責任を担うプレッシャーと、その分だけ得られる確かな手応え。
戦略シンクタンクならではの魅力と成長環境について、若手研究員が率直に語ります。

PROFILE

  • 研究第一部 戦略資源・環境グループ 研究員 山内 雄斗さん
    研究第一部 戦略資源・環境グループ 研究員 山内 雄斗 さん

    新卒5年目。入社後2年間は同部のファイナンス・社会グループで金融領域の調査・分析に携わり、3〜4年目は日立グループのIT企業・日立ソリューションズへ出向。事業戦略推進や生成AI活用推進に従事した。現在はエネルギー×AIを軸に、データセンター、生成AI市場、サステナビリティ関連の市場・トレンド調査など、幅広いテーマの研究業務を担う。

  • 研究第二部 グローバル事業戦略グループ 研究員 上野 美羽さん
    研究第二部 グローバル事業戦略グループ 研究員 上野 美羽 さん

    2025年4月に新卒で日立製作所へ入社し、5月より研究員として配属。入社1年目ながら、米国のシナリオ分析やベンチマーク調査、データインフラの政策動向など幅広いテーマに携わる。特定の専門分野にとらわれず、多様な分野を横断しながら知見を広げている。

  • 研究第三部 技術戦略グループ 研究員 白倉 知拓さん
    研究第三部 技術戦略グループ 研究員 白倉 知拓 さん

    2020年度に新卒入社。入社後は同グループで技術領域の研究に携わり、その後2年間、日立システムズへ出向。企画職として顧客企業のデジタライゼーション推進に従事し、提案活動を担った。2024年に日立総研へ復帰し、現在は地域創生、スマートビルディングなどをテーマとした研究を進めている。

新卒で入社され、日立総研の研究員としてご活躍されている皆さんにお集まりいただきました。
まず、配属後に担当されたお仕事について教えてください。

山内: 最初に関わったのは、「金融×デジタル」というテーマで当時の業界トレンドからビジネスチャンスを分析し、中長期事業計画策定を支援するプロジェクトです。金融機関のビジネスモデルも十分に理解できていない状態からのスタートで、入門書を読みながら膨大なレポートを読み込み、銀行・証券・保険・フィンテックなど各領域でのトレンド把握に努めました。正直かなり混乱しましたが、業界全体を俯瞰(ふかん)するには良い入り口だったと思います。

上野: 配属初日にアサインされたのが、日立のデジタルシステム&サービスセクターの政策提言を支援するプロジェクトでした。テーマはデジタルインフラ(データセンターやワットビット連携)についてで、国内外の政策動向を整理し、日本国内の方向性を整理する役割です。最初は用語を一つ一つ調べるところからのスタートでしたが、続けていくうちに日本と海外の違いも理解でき、全体が見え始め、自分の中で少しずつつながっていくのが面白くなっていきました。
その後はHitachi America Ltd.のプロジェクトにも関わり、米国のトランプ大統領の政策を踏まえてリスク・オポチュニティを整理するシナリオ分析も担当しました。数ある政策の中でも、大学生の頃から興味のあった気候変動関連の政策やDEI/LGBTQ関連の政策を担当しました。扱う研究テーマの幅広さを実感したとともに、国内と海外のテーマを同時に扱うことで日立総研のグローバルな広がりを実感する経験でした。

白倉: 入社当初は物流分野の案件を中心に担当しました。業界として人手不足が進む中で、物流センター運営をAIやCPSでどう最適化・省人化していくか、というテーマです。私の役割はベンチマーク調査で、競合や市場動向を整理し、現状を可視化することでした。物流系ニュースサイトを複数チェックし続けるなど、情報のキャッチアップ自体が業務の一部という感覚でした。物流センター見学にも同行し、現場を見ることで理解が深まった部分も大きかったです。

未知の領域に飛び込み、仕事を通じて学びを重ねていったんですね。
プロジェクトの体制は、どのような構成が多いのでしょうか。

山内: テーマによって異なります。日立グループの事業部門を支援する「提案研究」の場合は、プロジェクトマネージャーの下に2〜3名がつく体制が多く、比較的コンパクトなチームで進めます。
一方、日立総研が独自に取り組む「重点研究」は部署横断で編成されるため、8〜10名規模になることもあります。プロジェクトマネージャーが2名ほどおり、その上に責任者がいる体制です。社員は一つの重点研究チームに所属しながら、提案研究と並行して取り組む形になります。

白倉: 日立グループの事業戦略策定を支援する重点研究は概念的なテーマが多く、どう考えを言語化するか、どうモデル化するか、といった部分で試行錯誤します。普段の主な業務は提案研究ですが、抽象度の高いテーマに取り組む時間も、研究員として大切な経験だと感じています。
リサーチはデスクトップ調査に加え、海外を含む現地ヒアリングも行います。私はアーバン・ウェルビーイングの研究で欧州に行き、オーストリア・リンツの文化拠点やスイスのチューリッヒ工科大学、その周辺のベンチャーなどを訪問しました。実際に足を運んでみないと分からないことも多く、得た知見は他の研究にもつながっています。

山内さんと白倉さんは、日立総研配属後に一度他の日立グループの会社に出向された時期があったと伺いました。

山内: 新卒で日立総研に入ると、最初から経営の上流に関わることが多い一方、現場を十分に知らないまま仕事をすることになります。そのため3〜4年目に2年間ほどグループ会社へ出向し、現場を経験するのが一般的です。
出向したことで「どこでどう利益が生まれているのか」という具体的な現場の様子や、「経営と現場の間で生じるジレンマ」などの課題を体感できました。事業側では日々の数字や判断がそのまま結果に直結します。そのリアルを体感できるとともに、出向先で得られた人とのつながりも財産になっています。

白倉: 専門を固めるというより、現場の視点を持ち帰るための時間ですね。出向で得た知見が、日立総研に戻ってから活きる場面は多いです。引き出しがぐっと増える感覚でした。

新卒1年目から事業部門のマネージャークラスと向き合い、意思決定に関わっていくのは、やはりプレッシャーも大きいのではないでしょうか。

山内: 正直、かなりプレッシャーはあります。新卒1年目の時は、「ついこの間まで大学生だった自分が、経験豊富な事業部門のマネージャークラスの方々に『こうした方がいいと思います』なんて言っていいのか」、と感じ、報告中に声が震えるほど緊張して、自分が何を話しているのか分からなくなるときもありました。
だからこそ、とにかくできる限りの準備をしました。上長と壁打ちを重ねてロジックや構成を確認し、伝え方を何度もリハーサルする。準備を積み重ねることで、不安を少しずつコントロールできるようになっていったと思います。

上野: 私も同様で、特に政策提言やアドボカシー支援といった国との関わりが出てくるテーマでは、「この内容で本当に足りているのか」と不安になることもありました。
ただ、指導員の方の存在が大きかったです。資料の構成や説明の仕方を具体的に教えていただいて、顧客への説明では、「相手に理解してもらうのを待つ」のではなく「こちらから伝わりやすさをデザインした上で説明する」という姿勢を学びました。

白倉: 提案する相手は現場を熟知している方々ですから、今でも緊張します。ただ、発表するときは自分が「正しい」と納得できている状態で臨まないと、それが相手にも伝わってしまう。疑問点は先回りして調べ、分からない部分は正直に伝える。自分の発言に腹落ちできるところまで詰めることが、結果的に不安の解消につながっているのかなと思っています。

他のシンクタンクやコンサルと比べて、どんな違いや魅力があるのかを教えてください。

山内: 大きく二つあると思っています。一つは、経営へのインパクトの大きさです。扱うテーマは日立グループ全体の経営課題に直結していて、幹部層の関心も高く、経営トップに向けて発表する機会が得られるのは、なかなかない経験だと思います。
もう一つは、テーマの幅広さです。日立総研はグループ全体のあらゆる事業テーマにアンテナを張りながら、約50名の比較的小さな組織で業務を担っています。そのため、一人一人が専門性を持ちながら複数の領域に関わっています。そうした多彩なバックグラウンドを持つメンバーと議論し、ホワイトボードいっぱいにアイデアを書きながら、もやもやしていた論点が整理されていく。そのプロセス自体がとても面白く、豊富な知見を持ち寄ってアウトプットが形になっていく瞬間にいつも刺激を受けています。

上野: 私が実感しているのは、「自分ごととして研究できる」点です。クライアントが同じ日立グループなので、グループ全体の成長や事業機会を広げるという意識で向き合うことができ、モチベーションがより高まると思います。
また、自分の興味関心を深掘りする機会もあります。自分の関心と日立グループの領域を掛け合わせながら探究できる環境で、生涯の目標である「Lifelong Learner」として知識を蓄え続けられること自体が、私にとっては大きな魅力です。

白倉: 日立グループの戦略シンクタンクだからこそ、実際の事業にとても近いのが特徴だと思います。現場を拝見する機会もありますし、事業部門の悩みを身近に理解できる。その生々しさがあるからこそ、提案もより具体的で、実装を見据えた議論ができます。
また、日立総研はグループ内の取り組みを横断的に把握している立場なので、事業部門を超えて情報をつないだり、キーマンを紹介したりしやすいのも特徴だと思います。

山内: 事業部門の皆さんはクライアントですが、「向かい側」に対峙(たいじ)する相手というより、肩を並べて一緒に考えるパートナーという感覚です。ただし、日立総研は第三者として客観的な視点を出す必要もあります。つまり、机のこちら側(客観的な立場)とあちら側(事業部門の立場)を行き来するような関わり方です。事業の上流に関わるので、成果が形になるまでには時間がかかりますが、最初の一歩に関わっている実感があります。

最後に、読者のみなさんへのメッセージをお願いします。

白倉: 最大の魅力は、業務経験の幅広さだと思います。企業グループ内のシンクタンクと聞くと扱う範囲が狭いと思われるかもしれませんが、そもそも日立グループの事業領域自体が非常に広い。横の広がりという意味では他のシンクタンクに引けを取りませんし、事業に近い立場だからこそ縦の深さもあります。次々に新しいテーマに取り組んでいけるこの仕事は、好奇心が強い方にとって、とても面白い環境だと思います。

上野: 私も幅広さは大きな魅力だと感じています。特にグローバル事業戦略グループでは、事業の広さだけでなく、地域や都市といった多様な視点から物事を見ることができます。私は学生時代、専門性がないことに少しコンプレックスがありましたが、ここではさまざまな角度から議論できることが強みになります。専門が定まっていないと感じている方にも、大きな可能性が開ける場所です。

山内: 日立総研は、「日立グループ×戦略シンクタンク」の魅力が凝縮された環境だと思います。経営へのインパクトの大きさ、事業部門との深い関わり、自分の仕事が事業につながっているという手触り感。小さな組織だからこその裁量もありますし、グローバルも含めて多様なテーマに挑戦できます。
3年目以降のタイミングで出向もありますが、事業部門を実際に経験できるのは大きな価値です。そこで得た知識や人とのつながりは、確実にその後のキャリアに活きます。
日立総研は、論理的に考え、伝える力や世の中の出来事をより面白く捉える力を鍛えられる環境です。そんな魅力的な成長の機会があることをぜひ知っていただきたいです。

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