Research Reports
研究員レポート
研究第一部 ファイナンス・社会グループ 主任研究員 西田 一平
研究第一部 ファイナンス・社会グループ 研究員 松本 裕介
特集レポート
世界のすう勢はグローバル化から、各国・地域の経済圏が独自路線を歩み、グローバルなヒト・モノ・カネ・データの動きが分断されるモザイク化へと転換している。また生成AIを代表とする先端技術の飛躍的な進歩により非連続なデジタル化が進展、社会の在り方が根本から変革される時代に突入している。本レポートでは、この二つの変化が、決済、資金供与、資産運用、リスク移転といった金融機能にもたらす影響や新たな価値を予想する・・・
拡大するプライベート・クレジット市場の現状と展望〜米経済を支えてきたリスクマネーの行方〜
グローバル情報調査室 主管研究員
吉田 健一郎
ショートレポート
9月半ば以降、米国で地銀の株価が下落している。契機の一つとなったのは9月10日にサブプライム・オートローンを提供するトライカラー・ホールディングスが連邦破産法第7条に基づく会社清算を、同月28日には自動車部品企業のファースト・ブランズ・グループが同第11条に基づく経営破綻を相次いで申請したことである。トライカラー社の破綻は、ローンの延滞増や、同社提供の財務データなどに虚偽記載があるとの懸念を抱いた・・・
グローバル情報調査室 シニアストラテジースタッフ
坂本 尚史
ショートレポート
脱炭素化とエネルギー安全保障対策の切り札と見られているグリーン水素とブルー水素の生産量合計は、2024年に世界全体で70万トン超に達し、前年比10%増加した。ただし、この量は現時点で工業・石油精製向け中心に生産されている水素量全体の1%に過ぎない。現在生産されている水素のほとんどが化石燃料から生産されるグレー水素である。また、ブルー水素生産の大半は米国・カナダであるが、グリーン水素生産の・・・
ウェルビーイングトランスフォーメーションが再定義する社会価値
研究第三部 技術戦略グループ 主任研究員 渡部 正泰
研究第三部 産業グループ 副主任研究員 西村 啓志
研究紹介
本研究はデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)に続く、新たな社会変革の潮流として「ウェルビーイング・トランスフォーメーション(WX)」に注目している。WXは、生成AIの急速な普及・進化と価値観の多様性拡大といった社会変化を背景に、人間のよりよい生き方の追求を目的として、「からだとこころ」、「働き方」、「社会生活」から成るウェルビーイング(Well-being)・・・
外部寄稿
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名古屋商科大学大学院 教授
大槻 奈那
金融業界は、構造的かつ技術的な地殻変動の影響を受けつつある。これらの変動は、伝統的な金融の在り方を根本から揺るがしうる不可逆的な流れだ。長らく世界経済を支えてきたグローバル化の潮流が転換点を迎え、それに伴う金融規制環境の変化、そしてテクノロジーがもたらす革新が、金融の未来像を塗り替えようとしている。その時、金融機関にはどんな役割が求められるのだろうか。1980年代のバーゼル合意による国際金融規制の・・・
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The Evolution and Prospects of Digital Finance in Europe(English)
Lorenzo Moretti
Research Fellow
Florence School of Banking and Finance, European University
Innovation has long been part of finance: from the invention of new financial instruments such as debt and fractional shares to the digitisation of trading and settlement processes, innovation has allowed people better access to capital and capital to be more efficiently deployed. Each technological leap has created efficiencies but also introduced new risks,・・・
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明治大学政治経済学部 教授
小早川 周司
近年、国債等の安全資産を裏付けに価値の安定化を図ろうとするステーブルコインが注目されている。特に米ドル建てのステーブルコインは、新興国における法定通貨の利用を代替するなどグローバルに拡大している。新しい事業者にとってステーブルコインは銀行が提供する預金に依拠することなく、利用者に新たな支払い手段を提供するものである。その用途は、夜間・休日を問わない国境をまたいだ資金取引(クロスボーダー送金)のほぼ瞬時での・・・
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金融機関と他業態の企業間のエコシステムが築く新たな社会イノベーション
IDCジャパン株式会社 Vertical & Cross Technologies Researchグループ シニアリサーチマネージャー
市村 仁
国内金融機関を取り巻く環境は大きく変わっており、金融機関が今後ビジネスを持続的に拡大させるために求められる成長戦略も大きく変わりつつある。特に金融機関の新たな成長戦略として、非金融ビジネスの展開と金融機関以外の業態の企業(以下、他業態の企業とする)との連携を推進している。一方で、他業態の企業においてもサービス拡充、取引先との関係強化を目的に金融サービスの提供を行う企業が増加している。他業態の企業の金融・・・
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