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Research Reports

研究レポート

Reports by HRI researchers

研究員レポート

防衛力強化を加速するEU〜総額8,000億ユーロの防衛費増加はEU経済を押し上げ、ドイツも財政拡張へと転換し国防費とインフラ投資を拡大へ〜

グローバル情報調査室 主管研究員
吉田 健一郎

ショートレポート

EUが防衛力強化を加速させている。3月に入り、欧州委員会は欧州の防衛に関する白書(White Paper on European Defence)と、総額8,000億ユーロ(約130兆円)の防衛投資拡大などをめざす欧州再軍備計画(ReArm Europe Plan)を発表した。3月6日および同20〜21日に開催されたEU首脳会合では、両提案についてEU首脳間で大筋合意がなされた。EUの新たな防衛強化政策の・・・

「あるべき無形資産マネジメント」による企業価値拡大

研究第一部 ファイナンス・社会グループ 主任研究員
西田 一平

研究紹介

企業価値経営が叫ばれて久しいが、グローバル大企業を中心に、企業価値に占める割合が拡大している非財務価値・無形資産のマネジメントの重要性が高まっている。しかし、数値化・管理が容易で、既にファイナンス理論が豊富に蓄積されている財務価値・有形資産のマネジメントと異なり、無形資産マネジメントの体系化はいまだ不十分である。日立総研では、「あるべき無形資産マネジメント」の実現に向け、研究を行っている。

Doyne Farmer著「Making Sense of Chaos: A Better Economics for a Better World」

グローバル情報調査室 主任研究員
山口 英果

先端文献

本書は、複雑性・不確実性が増す現代において有用な、新しい経済学を提言する。具体的には、標準的経済学の代わりに複雑系経済学(Complexity Economics)の考え方を用いることで、経済予測の精度が改善し、気候変動を含むグローバル課題の解決に近づくと主張する。標準的経済学では、家計や企業が合理的期待を用いて、効用を最大化する意思決定をすると考える。こうした「合理的期待形成理論」の欠陥は、近年でこそ・・・

ヘルスケアからものづくりへ広がるバイオトランスフォーメーション

研究第三部 主管研究員 宮ア 祐行
研究第三部 産業グループ 副主任研究員 西村 啓志

特集レポート

バイオ分野においてAIなどのデジタル活用が進み、バイオ技術は基礎研究から社会実装へ進展しつつある。バイオ医薬や遺伝子治療などの医療革新とそれを通したウェルビーイングへの貢献、微生物の産業利用によるプラネタリーバウンダリーへの対応やサーキュラーエコノミーの実現など、グローバルな課題解決に向けた進化が期待される。2018年の当社機関誌「日立総研」では、「バイオデータ活用が加速する産業革新」というテーマ・・・

Reports by Guest Contributors

外部寄稿

Brynne Stanton 氏

Accelerating the Tech-driven Bioeconomy: The Catalytic Role of a Global Policy Framework

Brynne Stanton, PhD
Lead, Bioeconomy
World Economic Forum

The bioeconomy provides solutions to urgent world challenges. From curing diseases to the production of chemicals and fuels to sustainable food production, the bioeconomy is everywhere. As digital technologies advance alongside the ability to read, write, edit and, increasingly, functionalize DNA, ・・・

長根裕美 氏

バイオテクノロジーがもたらすインパクトと産学官の役割

千葉大学大学院 社会科学研究院 教授
長根 裕美

バイオエコノミーやバイオトランスフォーメーション(BX)という概念が広まりつつある。いずれもバイオテクノロジーをテコに社会や経済を改善しようというものである。本稿では、バイオテクノロジーの進展が社会・経済にもたらすインパクトやその推進における産学官の役割について、バイオテクノロジーの開発と普及という観点から、経済学的に検討する。またBXの守備範囲は広範にわたるため、ここでは健康・医療分野に焦点を絞る。

桜井芳生 氏

バイオトランスフォーメーション時代の遺伝子社会学

鹿児島大学 学術研究院 法文教育学域 法文学系 教授
桜井 芳生

遺伝子解析により身体的特性や疾病の可能性などが解明されつつあることが知られている。本稿で紹介する遺伝子社会学とは、遺伝子情報の解読により人の社会的特性を科学的・医学的に解釈しようとする学問である。四半世紀前にはすでに欧米で盛んに議論されていたダーウィン進化論から派生した進化社会学(Sociogenomics)は、日本では議論や認知がなかなか進まなかった。これは、日本の社会学におけるバイオフォビア・・・

油谷幸代 氏

デジタル技術がもたらすものづくりBX

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門長
油谷 幸代

日本政府は今年6月3日に統合イノベーション戦略推進会議にてバイオエコノミー戦略を決定した。これは2019年に策定されたバイオ戦略について最新の国内外の動向をふまえて改訂し、名称も改めることで、「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」するという目標に向かって施策を強化するものである。バイオエコノミー戦略が決定されたことで、今後、産業界のバイオトランスフォーメーション(BX)が加速化する・・・

服部雅一 氏

超高齢化社会におけるバイオ医療の重要性とその展望:平均寿命と健康寿命のかい離解消へのチャレンジ

京都大学大学院 医学研究科 がん組織応答共同研究講座 特任教授
服部 雅一

日本は1970年に人口に占める65歳以上の高齢者の割合が7%(約730万人)を突破し「高齢化社会」に突入した。その後、高齢者人口は増え続け2024年1月現在3,600万人を超え、総人口に占める割合(高齢化率)は30%に迫ろうとしている。厚生労働省の推計によると、2042年には65歳以上人口がピークを迎え3,878万人となると予測されている。75歳以上人口も増加の一途をたどり、2057年には人口の4・・・

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