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Research Reports

研究レポート

Reports by HRI researchers

研究員レポート

EVを巡る欧米政策の変化:脱炭素一辺倒から雇用確保と産業覇権確保に重点を移すEUと米国

グローバル情報調査室 主任研究員
古高 輝顕

ショートレポート

EVは以下の通り、国家にとって多義的な性格を有しており、EVを巡る政策に影響を与えている。【脱炭素政策における運輸部門の切り札である】世界全体でCO2排出量のうち運輸部門が占める割合は全体の23%。このうち乗用自動車が約45%、商用自動車が約30%を占め、運輸部門排出量の3/4は自動車由来である。世界全体のCO2総排出量の17〜18%は自動車由来となっており、自動車のゼロカーボン化が脱炭素の重・・・

ヘルスケアからものづくりへ広がるバイオトランスフォーメーション

研究第三部 主管研究員 宮ア 祐行
研究第三部 産業グループ 副主任研究員 西村 啓志

特集レポート

バイオ分野においてAIなどのデジタル活用が進み、バイオ技術は基礎研究から社会実装へ進展しつつある。バイオ医薬や遺伝子治療などの医療革新とそれを通したウェルビーイングへの貢献、微生物の産業利用によるプラネタリーバウンダリーへの対応やサーキュラーエコノミーの実現など、グローバルな課題解決に向けた進化が期待される。2018年の当社機関誌「日立総研」では、「バイオデータ活用が加速する産業革新」というテーマ・・・

2030年に向けたエネルギートランジションのグローバルシナリオ

グローバル情報調査室 シニアストラテジースタッフ
坂本 尚史

研究紹介

世界のエネルギー問題に関して、気候変動問題への対応を最優先にすべきとする潮流は、2021年11月に英国グラスゴーで開催されたCOP26がピークであったと言える。COP26では、先進国だけでなく、途上国も相次いでネットゼロ(カーボンニュートラル)へのコミットを宣言した。その後、年をまたいで2022年2月に起こったウクライナ危機は事態を一変させた。ロシア産天然ガスからの脱却と世界市場での天然ガスの争奪・・・

ニックヒル・グプタ著「The Eight Percent Solution:A Strategy for India's Growth」

グローバル情報調査室 主管研究員
吉田 健一郎

先端文献

インドは、これからも高成長を維持できるのか―。2023年8月に発刊された本書は、Motilal Oswal Financial Servicesのチーフエコノミストであるニックヒル・グプタ氏が、この問いに対し真正面に取り組んだ良書である。英フィナンシャル・タイムズ紙が選ぶ2023年のベスト経済書のうちの1冊にも選ばれた。本書のタイトルとなっている「The Eight Percent」とは、インドが高所得国に・・・

Reports by Guest Contributors

外部寄稿

Brynne Stanton 氏

Accelerating the Tech-driven Bioeconomy: The Catalytic Role of a Global Policy Framework

Brynne Stanton, PhD
Lead, Bioeconomy
World Economic Forum

The bioeconomy provides solutions to urgent world challenges. From curing diseases to the production of chemicals and fuels to sustainable food production, the bioeconomy is everywhere. As digital technologies advance alongside the ability to read, write, edit and, increasingly, functionalize DNA, ・・・

長根裕美 氏

バイオテクノロジーがもたらすインパクトと産学官の役割

千葉大学大学院 社会科学研究院 教授
長根 裕美

バイオエコノミーやバイオトランスフォーメーション(BX)という概念が広まりつつある。いずれもバイオテクノロジーをテコに社会や経済を改善しようというものである。本稿では、バイオテクノロジーの進展が社会・経済にもたらすインパクトやその推進における産学官の役割について、バイオテクノロジーの開発と普及という観点から、経済学的に検討する。またBXの守備範囲は広範にわたるため、ここでは健康・医療分野に焦点を絞る。

桜井芳生 氏

バイオトランスフォーメーション時代の遺伝子社会学

鹿児島大学 学術研究院 法文教育学域 法文学系 教授
桜井 芳生

遺伝子解析により身体的特性や疾病の可能性などが解明されつつあることが知られている。本稿で紹介する遺伝子社会学とは、遺伝子情報の解読により人の社会的特性を科学的・医学的に解釈しようとする学問である。四半世紀前にはすでに欧米で盛んに議論されていたダーウィン進化論から派生した進化社会学(Sociogenomics)は、日本では議論や認知がなかなか進まなかった。これは、日本の社会学におけるバイオフォビア・・・

油谷幸代 氏

デジタル技術がもたらすものづくりBX

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門長
油谷 幸代

日本政府は今年6月3日に統合イノベーション戦略推進会議にてバイオエコノミー戦略を決定した。これは2019年に策定されたバイオ戦略について最新の国内外の動向をふまえて改訂し、名称も改めることで、「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現」するという目標に向かって施策を強化するものである。バイオエコノミー戦略が決定されたことで、今後、産業界のバイオトランスフォーメーション(BX)が加速化する・・・

服部雅一 氏

超高齢化社会におけるバイオ医療の重要性とその展望:平均寿命と健康寿命のかい離解消へのチャレンジ

京都大学大学院 医学研究科 がん組織応答共同研究講座 特任教授
服部 雅一

日本は1970年に人口に占める65歳以上の高齢者の割合が7%(約730万人)を突破し「高齢化社会」に突入した。その後、高齢者人口は増え続け2024年1月現在3,600万人を超え、総人口に占める割合(高齢化率)は30%に迫ろうとしている。厚生労働省の推計によると、2042年には65歳以上人口がピークを迎え3,878万人となると予測されている。75歳以上人口も増加の一途をたどり、2057年には人口の4・・・

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