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【短期経済予測】底堅さを維持する世界経済〜リスク抱えつつ3%成長持続に期待〜

    2026年9月29日

    1.世界:中東の不透明な情勢は続き、種々のリスクを抱えつつも、3%成長を維持

    中東情勢は不透明な情勢が続く見込み。ただし、大規模なエスカレーションは抑制され、油価も極端な高騰長期化は回避を予想。旺盛なAI関連投資や半導体需要に支えられ世界経済は底堅い成長を維持する見込み。他方、拡張財政や債券発行増大、インフレ懸念などを背景に世界的に長期金利が上昇しており、行き過ぎれば投資抑制や株価下押しなどの悪影響を引き起こし得る。また、半導体・AI関連の取引逆回転による一時的な調整や、異常気象による食料高および中東情勢悪化によるエネルギー高と、それに対する金融引き締めがスタグフレーションを惹起する恐れもある。世界実質GDP成長率は、26年3.1%、27年3.2%。

    2.米国:AI投資需要を背景に2%程度の底堅い成長、金利上昇は経済の下振れリスク

    米国経済は、旺盛なAI関連需要に支えられた設備投資の拡大を背景に、底堅い成長を維持している。データセンタやサーバーなど設備投資を中心とする拡大基調は26年も続く見込みだが、AI関連財の価格上昇が進む中で、投資コストは上昇している。インフレ率上昇を受け、FRBは26年9月のFOMCで0.25%の利上げを実施し、26年内にも追加利上げを実施すると予想する。国債利回りのさらなる上昇は、投資や消費を抑制し、経済の下振れリスクとなる。データセンタ建設に対する近隣住民の反対などAI投資の問題も顕在化しつつある点も注意を要する。実質GDP成長率は、26年2.1%、27年2.1%。

    3.欧州:防衛支出が下支えする構図は継続も、熱波やインフレの影響で前年から減速

    ユーロ圏経済は、防衛支出やインフラ投資の拡大が下支えし、緩やかに回復している。しかし、26年後半は、不安定な中東情勢の継続に伴うエネルギー価格の高止まりや、熱波に伴う電力価格上昇などを受け、経済は減速する公算が大きい。インフレ懸念が高まるなか、ECBは26年末までに0.25%の追加利上げを実施すると予想する。英国では建設投資が経済を下支えするが、雇用・所得環境は悪化し、経済は減速する見込み。中銀の目標値を上回るインフレ率が続くことから、BOEは利上げに転じると予想。実質GDP成長率は、ユーロ圏が26年0.9%、27年1.2%。英国が26年1.2%、27年1.0%。

    4.中国:IT・自動車など輸出が増加も、投資と消費の伸び悩みによる減速が継続

    中国経済は減速が続いている。輸出はASEAN向けを中心に半導体や輸送機械などが堅調に増加しており、国内ではそれを受けてAI・ITを含む新分野製造業の利益率が改善している。他方で、従来型製造業の利益の伸びは停滞しており、国内の過当競争で採算は悪化。政府は中期的にエネルギーやデータ処理のインフラ投資を増額する方針ながら、全体として投資は伸び悩む見通し。自治体財政難もあり、不動産の在庫調整は長期化する。可処分所得の減少により、消費は弱含みが続く。実質GDP成長率は、26年4.2%、27年4.0%。

    5.日本:中東情勢の逆風にもかかわらず景気は回復を維持、日本売りリスクに留意

    日本経済は、原油備蓄の放出や分散調達が寄与し、底堅い回復が続いている。今後、インフレ率は一時的に3%程度まで上昇し、内需の逆風となるものの、価格上昇を主因にAI関連需要が企業収益を下支えし、景気は底堅さを維持する見通し。日銀の利上げは四半期に1度のペースへの加速を見込む。リスクとして、消費減税などの財源を巡る懸念から、金利が一段と上昇し金融システムが不安定化する「日本売り」に注意。実質GDP成長率は、26年0.9%(年度0.9%)、27年0.7%(同0.8%)。

    6.インド・APAC:インドは内需けん引で6%台半ば、ASEAN5は4%台後半

    インドは、引き続き投資・消費など内需がけん引するとともに、対米関税率の実質引き下げによる対米輸出増などで外需も増加。異常気象に伴う食料高とインフレ圧力の再燃に注意が必要だが、インドの成長率は、26年度6.4%、27年度6.5%と高成長が続く見込み。APACは、半導体輸出の強さから台湾が26年は二桁の高成長見込み。ASEANは国ごとまちまちながら、ASEAN5全体で26年4.7%、27年4.8%と4%台後半の成長見込み。

    世界経済の見通し(実質GDP成長率)

    世界経済の見通し(実質GDP成長率)
    注:暦年ベースのため、日本の値は下表の年度ベースと異なる。ただしインドは年度ベース。
    ASEAN5はインドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム
    資料:実績はIMF、予測はIMF(ブラジルおよびロシア)、日立総研(その他)

    日本経済の見通し

    日本経済の見通し
    注:端数処理により、数値の合計が一致しない場合がある
    資料:内閣府ほか、予測は日立総研

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