Vol.21-1(2026年6月)
巻頭言
取締役社長
溝口 健一郎
個人や組織にとってリスクとは、容易には予測できないこと、想定可能な範囲、あるいは対応可能な範囲を超えた事象が発生してしまうことである。この際、リスクとはポジティブなもの(機会)もネガティブなもの(脅威)も含むとして考えよう。いつ死ぬか、事件・事故に巻き込まれるか、大金を拾うか、運命的な出会いをするか、予測できない。9.11の同時多発テロ、東日本大震災、ロシアによるウクライナ侵略は予測できなかった・・・
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寄稿
一般財団法人機械振興協会経済研究所 所長
独立行政法人経済産業研究所 特別上席研究員
森川 正之
21世紀に入ってから、不確実性の高まるイベントが続発している。リーマン・ショックに端を発する世界金融危機、英国のEU離脱、米中貿易戦争、新型コロナ感染症、ロシアのウクライナ侵攻など想定外のショックが頻繁に生じた。この1年間に限っても、トランプ関税の導入とその後の恣意(しい)的な政策変更、最近の米国の対イラン攻撃と原油価格の高騰は、企業経営を左右しかねない不確実性ショックである。日本国内でも、東日本・・・
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Effective Governments, Wealthy Nations: The Urgent Need for Pragmatic Reform
John J. Hamre
CEO Emeritus
Center for Strategic and International Studies (CSIS)
Every generation of humanity in every society experiences developments and disruptions that seem overwhelming and often threatening. We are living in a time of great technical advances and startling political changes, so much so that our circumstances seem more challenging and dangerous than the typical・・・
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早稲田大学商学学術院 教授
井上 達彦
現代の経営においては、事象を「点」で予測するのではなく、歴史の潮流から構造的なうねりを読み解く「未来洞察」が不可欠である。本稿では、過去から未来の軌道を照射する「ヤヌスコーン」で柔軟な準備を整え、予測を超えた事態には、手元の資源で応戦する「エフェクチュエーション」で乗り切る二段構えの作法を提唱する。不確実性を価値創造の糧として捉え、能動的に未来をコントロールする「卓越した経営者」のあり方を説く・・・
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特集レポート
外部環境変化がもたらす機会・脅威と高まる戦略的ERMの重要性
グローバル情報調査室 主管研究員 峯畑 昌道
Hitachi Research Institute Office マネージャ 石井 俊太郎
企業経営を取り巻く外部環境が短期間で大きく変化する中、不確実性の予測や対応に係る議論は多岐にわたる。その際、企業経営において昨今大きな影響を及ぼすものの中に、地政学の情勢変化と破壊的技術進歩(創造的破壊)がある。地政学では、ルール主義・自由主義に基づく国際秩序が大きく揺らぎ、各国が自国優先主義を拡大させている。同時に、AI・量子・宇宙・半導体・バイオ・エネルギーなど先端技術による創造的破壊も急速に・・・
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寄稿
AI’s Impact on Risk Management: Is it a Factor of Uncertainty or an Enabler of Better Management?
Birud Sindhav, PhD
Professor of Marketing
University of Nebraska at Omaha
The pace of change around organizational risk has accelerated sharply in recent years. Rapid shifts in geopolitical alignments, the frequency and severity of natural disasters, the lingering effects of pandemic-era disruption, and cascading volatility in global supply chains have created an operating environment in which the・・・
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コーポレートガバナンスが経営に与える影響−リスクマネジメント進化の必要性−
東京都立大学大学院経営学研究科 教授
松田 千恵子
2026年は、会社法改正の検討とコーポレートガバナンス・コード(CGコード)の第3次改訂が重なり、法制度の枠組みが企業経営に与える影響を再考せざるを得ない年となっている。特に改訂CGコードにおいては、持続的な価値創造に向けた成長投資の重要性がこれまで以上に強調されている。しかし、果敢な投資は必然的にリスクテイクを伴う。投資を加速させるほど、取ったリスクを適切に制御し、マネジメントする能力の向上が喫緊・・・
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ビジネスの最前線から
Ondrej Vinzens
Enterprise Risk Manager
Hitachi Energy
日立エナジーは、持続可能で柔軟かつ安全なエネルギーの未来を推進するグローバル・テクノロジー・リーダーです。本社はチューリッヒにあり、5万人を超える従業員が働いています。電力システムと電化の分野で100年超の歴史あるグローバル企業です。製品・システムやソフトウエア、サービスといった事業ポートフォリオで、ユーティリティ、産業、交通、インフラなど各分野の顧客をサポートしています。ビジネスユニットとしては・・・
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